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「計装」という言葉に馴染みがない方も多いと思いますが、実は計装は私たちの生活に欠かせない身近なもの。もっともわかりやすいのが「エアコン」でしょう。エアコンは室内温度を計測し、予め設定された温度と異なれば、暖めたり冷やしたりして自動で室温を一定に保ちます。このエアコンの、「計測」と「自動制御」の2つの機能が合わさったものが「計装」なのです。計装の機能を大々的に活用して、産業プラントや工場では均一で良質な製品をつくりだし、オフィスビルなどでは快適空間をつくりだします。そこでは、圧力や温度、原材料の流量などのさまざまな値が計測され、それによって生産に必要な大型機械などを自動制御しています。計装はあらゆる産業分野において、低コストと、品質や安全性を確保するために不可欠なものなのです。 また、さまざまな数値を「見える化」することで生産の効率を図ったり、環境への配慮や省エネルギー化を推し進めるためにも必要なものです。計装があるからこそ、産業が滞りなく流れていくのです。
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計装を人間になぞらえてみると、わかりやすいかもしれません。たとえば、人間の目や耳にあたるのがセンサーなどの計測器、脳にあたるのが制御装置、手足に当たるのが操作機です。目や耳からの情報は神経を通り脳に送られ、脳からの指令は神経を通り手足に送られますが、この神経に当たるのが信号の配線などです。人間は五感で周囲の状況を感じ取り、脳で考えて手足で何かを動かします。それと同じように、センサーが感知し、制御装置が指令を出して機器を動かす。これが計装の働きなのです。
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近年、著しく進む産業のハイテク化。これには自動制御装置が重要なポイントとなっています。
今後、ハイテク化はますます加速していくため、計装の重要性は更に高まります。
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さまざまなプラントや工場において、生産工程の温度や圧力、流量などを測定し、電気やデジタル信号に変換して遠隔地で値を表示させたり、制御装置に送信して生産設備の制御を行って、均一で良質な生産物を生み出します。
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病院やホテル、商業ビルなどの大型施設において、空調や給排水設備を自動で制御し、快適な室内空間を保ちます。また、それにより省エネにも貢献しています。